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【薬剤師国家試験】薬学部を卒業延期になった僕が行ったこと

このページにたどりついたということは、薬学部で卒業延期になりそうで不安な方でしょうか?

それとも卒業延期が決まって、何も手につかない方でしょうか?

人に自慢できる話ではないですが、私は卒業延期になりその年の薬剤師国家試験を受けることができませんでした

悔しかったし、消えて無くなりたくなりました

決して人に誇れることではありませんが、卒業延期になったからこそ書ける記事でもあると思います。

ぜひ参考にできるところは参考にしていただき、反面教師にしてください。

諦めずに頑張って欲しい!

今まで頑張ってきたのは百も承知です。

「これ以上頑張れって言わないで欲しい」と思うかもしれません。

かつて僕も卒業延期になりました。

あの時の悔しさ、消えて無くなりたい気持ちは10年近く経っても忘れてません

その証拠に、未だに私はそのことを夢に見ます。

そんな薬学部を卒業延期になった私でも、秋に大学を卒業し1回目の国家試験にて合格

無事に薬剤師になり、今では管理薬剤師として薬局を管理する立場にあります。

だから、できることなら諦めないで欲しいです。

今は落ち込んでもいい。私の失敗を読んで、再び頑張ることができるようになると幸いです。

目次

どこの大学の薬学部にも大体は卒業試験がある

皆さんの知っている通り、薬学部には卒業試験があることがほとんどです。

大学側も国家試験の合格率を上げたいので、学力の足りない学生は卒業させないことがあります。

その理由は、「薬剤師国家試験の合格率を少しでも上げるため」です。

薬剤師国家試験を受験するためには、薬学部を卒業(卒業見込みでも可)している必要があります。

大学側は卒業試験を使って、国家試験に合格できなさそうな学生を卒業延期にすることで、その年の薬剤師国家試験の合格率を上げようとするのです。

薬学部の卒業試験に合格しないとどうなる?

薬剤師の国家試験を受験するためには薬学部を卒業していることが必要です。

大学を卒業しないと国家試験が受けられないので、卒業延期になるとその年の国家試験の受験ができません。

薬剤師の国家試験は年に1回しかないので、卒業延期になった場合は来年の国家試験を受けるしかありません。

春に卒業ができなくても「秋卒業」というものがあり、半年遅れて大学を卒業することは可能です。

秋に卒業した場合は9月くらいに大学を卒業することになるので、半年ほど勉強して次の国家試験を受けることになります。

卒業延期が決まってからのメンタル

卒業延期が決まったのが6年生の1月でした。

国家試験まであと一ヶ月という時期で、国家試験に向けて最後の追い込みをしているところでした。

当然ながら国家試験を受けるつもりで毎日勉強していたので、とてもショックでした。

というか、消えてなくなりたくなりました。

その年の「国家試験が受けられないならもう勉強しなくてもいいんじゃないか」と思いました。

自分は国家試験を受験できないのに、国家試験を受験する同級生に交じって勉強を続けるというのは正直辛かったです。

ただ薬剤師になることを諦めるつもりはなかったので、その年の国家試験を受けるつもりで一緒に勉強を続けました。

卒業延期が決まって、その時どう思ったか

卒業延期が決まった時は「これだけ頑張って勉強したのに、何で卒業できないんだ!!」と怒っていました。

頑張って大学に入学し長い歳月を費やしてきたのに、目標としていた国家試験を受けられないことは本当に悲しくて虚しかったです。

卒業試験に合格し、国家試験を受ける友人がいる中で僕は来年にならないと国家試験が受けられない。

悔しい気持ちと自分自身への不甲斐なさ

色々な気持ちが混ざり、本当に消えてなくなりたくなりました。

だけど、国家試験を受けられないだけで、死ねわけではありません。

なんとか気持ちを持ち直して、再び勉強を始めようと思うのに1週間近くかかりました

なぜ卒業できなかったのかを冷静になって考えれば、勉強不足、得点力不足というのはわかっていました。

しっかり得点が取れていれば卒業試験に落ちることはなかったと、わかっていながらどこか他人のせいにしている自分がいました。

受けるはずだった国家試験の問題を受けてみた

受けるはずだった国家試験を自分で問題をダウンロードし、実際に解いてみました。

やはり当時のハードルであった225点には少し届かず、「受けても受からなかったのかもしれないな」と納得することができました。

受け入れたくない現実でしたが立ち直り勉強をする上では、一度受け入れ納得し前を向く必要がありました。

もし私と同じように卒業延期になってその結果に納得がいかない人は、受けるはずだった国家試験の問題をダウンロードして解いてみてください。

最初の目標は大学の秋卒業!

「秋に大学を卒業→国家試験合格」を目標にした

なんとか立ち直ることができたので、秋に必ず卒業することを目標に勉強を続けることにしました。

もはや開き直ったので、ポジティブに考えるようにしました。

ある程度の学力がついている状態からまた1年間勉強することができるのです。

他の薬学部の受験生と比べれば、有利な状態で新しい1年を迎えられると、前向きに考えることにしました。

いわば「強くてニューゲーム」ですね。

9月に必ず卒業することを目標に切り替え、モチベーションを保ちましょう

1年間モチベーションを保ち続けることは非常に難しいです。

なのでモチベーションを保つために、目標を2段階に分けました。

目標を2つに分ける
STEP
秋に必ず大学を卒業する

最初の目標として、必ず秋に卒業する。

STEP
次の国家試験に合格する

次の薬剤師国歌試験に必ず合格する。

「秋に卒業する」→「国家試験に合格する」の流れで1年間のモチベーションを保ちました。

私は秋の卒業試験で無事に大学を卒業し、最終学歴が「大卒」になりました。

青本などの参考書は新しい年のものを買い直した

また1年勉強するにあたり青本は買い直しました。

1年間勉強していたので様々な書き込みがありましたが、書き込んであるだけで覚えた気になっていた部分もあります。

青本の内容も毎年追記されますし、気持ちを新たにする意味でも新しいものを買い直しました。

書き込んであったポイントや新薬の情報などは新しい青本に書き写し、その時に覚え直す作業をしました。

青本や大学の教科書は専門書になるので、ブックオフ等に持っていっても安い値段で買い叩かれてしまいます。

医学系の参考書は買い取ってくれる専門の業者がいるので、そこで買い取ってもらうことをおすすめします。

来年の国家試験のために勉強する場所を確保する

薬剤師国家試験のための予備校に通う手もある

卒業延期や国試浪人(国家試験を受けたけど受からなかった人)向けの予備校があります。

授業料がかかりますが、講師からの講義を受けることができます。

もし親からの援助があり、許されるのであれば通ってもいいかもしれません。

薬剤師国家試験向けの予備校
  • 薬学ゼミナール(薬ゼミ)
  • メディセレ
  • REC(レック)
  • ファーマプロダクト

一番有名なのは、薬ゼミでお馴染みの薬学ゼミナールかと思います。

青本を作っているのは薬学ゼミナールですし、第一選択は薬ゼミでいいのではないかと思います。

もし予備校に通う場合は申し込み開始日当日に申し込みましょう。

薬剤師国家試験が終わると、国家試験の自己採点で点数が足りなかった人はすぐに翌年に動き始めます。

入校の申し込み日には申し込みが殺到して、人気の校舎はすぐにいっぱいになります

予備校に通いたい場合はいつから入校の申し込みができるのか、費用はいくらなのか把握してすぐに動き出せる状態にしておくことをおすすめします。

予備校について調べておく
  • 申し込み開始日を把握する
  • 入校を決めている場合は早めに申し込む(当時で埋まり、キャンセル待ちになる)
  • 費用はいくらか把握する(半年・1年コースがある)

私は予備校には通わなかった

私は予備校には通いませんでした。

予備校代がもったいないと思ったのもありますが、予備校に通わなかった理由は2つあります。

予備校に通わなかった理由
  • 点数が割と取れていたこと
  • 勉強方法はわかっていたこと

卒業延期になる時点で模試や過去問を解いた時に220点ほどは取れていたこと

自身に足りない部分や、これから勉強しなければいけない科目がわかっていたからです。

模擬試験や卒業試験の点数が200点に届いていなかったり、勉強の仕方がかわからない場合は予備校に通った方がいいかもしれません。

秋卒業→国家試験合格に向けて私がとった戦略

まずは自分自身がどこで点数が取れているのか、どこで点数が取れていないのかを自己分析しました。

自分の弱みと強みを把握しないことには戦えません。

国家試験に合格するための戦略
  • 得意科目・苦手科目の把握
  • 苦手科目は伸び代と考える
  • 知識と知識を結び付ける
  • 一番の敵は自分自身

過去問や模試を使って「できるところ」「できないところ」を知る

まずは「できている部分」と「できていない部分」を把握しましょう。

そのために過去問を1か月に1回、土日に本番と同じスケジュールで解きました。

そしてその過去問の内容を1か月かけて復習しました。

青本は1番の物理から9番の実務まであると思います。

1ヶ月で全てを復習し直すということは、1週間で青本2分野くらいは復習しないといけないことになります。

覚えている部分は簡単な復習に留め、苦手な部分はしっかり復習するなどしてメリハリをつけて復習しましょう。

また、模擬試験がある月は過去問ではなく、受験した模擬試験の内容を1ヶ月かけて復習しました。

模擬試験は予備校が覚えて欲しい内容や、今後の国家試験で出題されそうな問題を厳選して作っています。

模擬試験や過去問は、苦手分野や得意分野を把握するために使いましょう!

点数が取れないところは今後の伸び代でしかない

点数が取れない苦手な分野は伸び代でしかありません。

苦手科目は覚えればその分点数が伸びるところです。真っ先に勉強しましょう。

また、過去問や模試で何度も間違える分野や毎回悩むポイントがあると思います。

間違える場所や悩むポイントは、そのためのノートを作りましょう

よく間違えることのまとめが作れれば、そのノートを模試や国家試験に持っていけば直前に頭の中に入れることができます。

僕はこのノートを国家試験に持参して、試験の直前に見直すべきポイントをまとめてさっと読めるようにしました。

点数が取れている場所は復習のみ

点数が取れている場所は、青本に載っている章末の問題だけを解きました。

そのうえで間違えた部分は青本を読み直し、また問題を解くことを繰り返しました。

時間は有限なので、既に完璧になっている部分に長い時間を割く必要はないと思っています。

忘れないように復習する時間は必要ですが、時間配分は考えましょう。

今後の国家試験では知識と知識を結び付ける必要がある

近年の国家試験では複合問題が多く出題されますよね。

例えばですが、薬理の知識と病態の知識を結び付ける必要があります。

今までは薬理は薬理で覚えてしまえばそれで点数が取れたのですが、これからは知識と知識を結び付けて覚える必要があります。

薬理で薬を覚えたら、その薬を使う疾患はなにか?

男女差や好発部位、検査方法は何か?など関連させて覚えていきましょう。

関連して覚えることで知識が定着し、忘れにくくなります

実務の対策にもなりますし、ぜひ関連して覚えるようにしましょう!

卒業延期・国試浪人の一番の敵は自分自身

1年間、毎日勉強をすることは思っているよりも大変で本当につらい日々です。

一番難しいのはモチベーションを保つことです。

「少しくらいさぼってもいいかな」と思ってしまう自分自身が最大の敵です。

ゲームや漫画などはクローゼットなどにしまってしまい、国家試験が終わるまでは封印しましょう。

YouTubeなども気を付けましょう。気づけば時間を奪われてしまいます。

さぼりたくなってしまう時は、卒業延期になった時の気持ちを思い出すようにしていました。

「もう二度とあんなつらい思いはしたくない」と自分自身を奮い立たせましょう。

秋に大学を卒業し、国家試験を受けることが決まったら

国家試験の会場が決まったらやること

国家試験の会場が決まったら
  • 国家試験会場までの経路の確認
  • ホテルの手配が必要な場合もあるかも
  • タクシーの予約が必要かも

国家試験の会場が決まったら、自宅からの経路を確認することをおすすめします。

会場が自宅から遠い場合は、ホテルを取ることも検討した方が良いかもしれません。

直前になると近隣のホテルは国家試験を受験する人でいっぱいになり、ホテルの部屋を取ることができません。

もしホテル取るなら早めに予約しましょう。

予約したホテルから国家試験の会場が遠い場合は、タクシーの予約もすることをおすすめします。

「タクシーの予約なんて、そんな大げさな」と思うかもしれませんが、当日の朝にタクシーを呼んでもまず捕まりません。

騙されたと思って、予約したホテルが国家試験会場から遠い場合はタクシーの予約も検討してください。

卒業延期になった年の就職先は?

もしかすると就職について心配している人もいるかもしれません。

内定をもらっている会社によると思いますが、僕の場合は1年間だけ入社を待ってもらえました。

国家試験に合格するのを待ってもらえたので、薬剤師国家試験の勉強だけに集中することができました。

内定も気になるところだと思いますが、それよりもまずは大学を卒業すること、そして国家試験に合格すること」を第一に考えていきましょう。

薬剤師国家試験は自分との戦い

薬剤師として現場に出ている僕よりも、受験を控えている皆さんの方が薬剤師国家試験には詳しいと思います。

僕の時は、絶対評価で225点以上取ることがでれば合格していました。

今は相対評価になり225点取れていても落ちる可能性があり、かつ間違えてはいけない問題もあると聞きます。

結局は「自分自身が何点取ることができるか」にかかっています。

自分自身のモチベーションを保ち、毎日コツコツと努力することだけが合格への近道です。

誰かが助けてくれるわけでもなく、自分自身の力で薬剤師国家試験を合格しなければいけません。

過去に卒業延期になってしまった僕が薬剤師になれたのです。

最初にも書きましたが、もう一度書きます。

薬学部を卒業延期になった僕でも、秋に卒業し1回目の国家試験で合格

無事に薬剤師になり、今では管理薬剤師として薬局を管理する立場にあります。

つらい1年ですが、努力は裏切りません。

薬剤師になりたい気持ちをモチベーションにして、毎日積み重ねましょう!

今年の国家試験を受験した人へ

まだ就職先を探すことができます!国家試験が終わったら就職活動を開始しましょう

国家試験に合格して、免許書を手に入れたら是非使って欲しい証書ファイルがあります。

薬剤師免許証は自分自身が努力した証でもあるので、しっかりと保管しましょう!

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この記事を書いた人

大手ドラッグストアの管理薬剤師。
9年目薬剤師/認定研修薬剤師・健康サポート薬局研修/かかりつけ・在宅やってます/

薬剤師としての自身のキャリアに不安を感じたことと、若年時の教育がとても重要だと考え若手薬剤師向けのブログを始めました。
所属している会社に関係なく、薬剤師としてスキルを高めていきたい。
ブログを通じて副業にも挑戦中。

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